薪の準備

薪ストーブが欲しいけど、薪はどうやって手に入れるの?薪割りは大変じゃないの?薪の準備が不安な人も多いはず。自分で作った薪を焚くのは薪ストーブの醍醐味の一つです。けれどもすべての薪を自分で作るには大変な労力が必要です。薪作りばかりにとらわれず余裕があれば作るくらいの気持ちで、無理のない薪ストーブライフを楽しみましょう。

 

薪の入手方法

薪の入手方法

薪を手に入れるには自分で作る方法とできあがった薪を購入する方法があります。自分で作る場合は、薪を作る薪を作る楽しみがあるほか、原木が無料でもらえれば低コストで薪が手に入ります。薪を購入する場合は、自分で作るよりもコストがかかりますが、すぐに使用できるのも大きなメリットです。

 

薪ができるまでの流れ

 

薪は大まかに3つの流れで完成します。

① 原木の玉切り
お使いの薪ストーブの規定に合わせてチェーンソーやのこぎりで丸太を切断する。
② 薪割り
斧や薪割り機を使用して燃えやすい太さに割る。
③ 乾燥
薪小屋、薪棚に並べて十分に乾かす。

薪を自分で作る場合は、①から③までのすべての工程を自分で行う場合もありますが、玉切り済みものを入手して自分で薪割りをして薪棚で乾燥させる、薪の形に割ったものを購入して乾燥だけ行うなど、工程の一部分だけを自分で行うこともできます。

 

原木の入手方法はさまざまですが、森林業者や森林組合では有料(原木代)で入手が可能です。また、自治体が間伐材を無料で配布してくれたり、果樹農家なども不要になった木を譲ってくれることもあるので、地域の情報は要チェックです。ただし、原木は大きく重たいので、あらかじめ輸送の手段や費用も確認しておくとよいでしょう。

 

乾燥済みのすぐ使用できる薪は購入しやすくなり、ホームセンターや燃料店でも販売されるようになってきました。薪ストーブの販売店から購入すれば、プロが薪ストーブに適したサイズの薪を用意しているので、安心して使用できます。

 

薪を作る

薪を作る

原木を手に入れたら、すぐに切り揃えて割ってしまうのが理想的です。丸太のまま時間をおくと気が硬くなって割れにくくなり、カビや腐食が始まってしまうことがあるからです。チェーンソーやのこぎりで丸太の原木を玉切りするときは、できるだけ長さは揃え、斧で薪割りをするときに丸太が立つように、切り口もきれいな直角にします。薪を斧で割るときは、斧の刃先の保護のためにも、必ず薪割り台(高さは自身の身長に合わせて25cm前後)を用意しましょう。丸太を立てたときの安定性が良く、斧のパワーが丸太に伝わりやすくなるため薪割りが楽になります。

 

斧での薪割りの基本動作は①薪割り台の上に原木を置き、原木の正面に体の中心と斧、薪が一直線になるように構え、足は肩幅に開きます。②斧を原木の上に置き、グリップエンドと身体の間に拳ひとつ入るくらいの距離をとり、③斧を身体の中心線に沿って正面頭上へ振り上げ、④斧をまっすぐ振り下ろします。この際上半身は使わず、膝を深く曲げて腰から落とすようにします。さらに、斧を振り抜いてしまうと、コントロールが効かずにケガや事故の元にもなるので、振り下ろした斧が薪割り台で止まることを意識しながら振り下ろすとよいでしょう。斧での薪割りでは①~④の作業を繰り返し、好みの太さに仕上げます。

 

また、エンジン式の薪割り機は、少ない労力で大量の薪を作ることができ、とても便利です。薪作りで注意したいのは、ご自身や周囲の安全に気を配ること。チェーンソーや斧などを使用するので、ケガをしないように安全な服装と装備で作業することが必要です。手袋だけでなく、念のために保護メガネや安全靴も装着すれば、思わぬケガも防止できます。

 

乾燥の期間

乾燥の期間

薪作りで最も大切なのは、薪の乾燥です。薪が十分に乾いていないと暖まりにくいだけでなく、不完全燃焼を起こします。不完全燃焼が起こると、煙突内に煤やタールが溜まって煙道火災が起きるだけでなく、そこから延焼や類焼に発展することもありとても危険です。また、目に見えない一酸化炭素による中毒の危険性や、臭いのある煙が原因となってご近所とのトラブルが発生することもあり、良いことは一つもありません。

 

薪をしっかりと乾燥させるための条件は、日当たりがよく、風通しのよい場所に置くこと。一般のご家庭だと薪は家の裏手に置くケースが多いですが、薪に直接風が当たるようにできるだけ壁を作らず、地面からの湿気を避けるように下部は開けます。多少の雨ならば気にする必要はありませんが、梅雨時期など雨が続くような場合は、雨がしみこまないように薪の上にトタンやビニールシートなどをかけるとよいでしょう。

 

このような良い状態で乾燥させることを前提とすれば、針葉樹(スギやアカマツ、カラマツなど)は3か月から半年、広葉樹(ナラ、クヌギ、カシ、サクラなど)は半年から1年乾燥させれば使用できるようになります。けれども、これはあくまでも目安です。木の種類や地域や気象条件によって変わってくるので、使う前には必ず薪を割ってその中が湿っていないか手で触って確認しましょう。そして、実際に燃やすときには、順調に燃えているかを見ながら焚いていきます。煙突から出ている煙にいぶした臭いを感じたり、煤やタールがストーブ内部やガラスの内側に付着して黒く汚れるときは、不完全燃焼の可能性があるので、今一度、薪の状態をチェックして、乾燥期間を見直して見ることが大切です。

 

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