薪ストーブ 燃焼効率

燃焼効率とは

薪を燃やした時に、
薪の持つ化学的エネルギーがどれだけ熱に変換されるか、
その効率を燃焼効率と言います。

完全に乾燥した(含水率0%)薪1kgは、完全に燃焼すると約20MJの熱が発生します。これは樹種に関係なく一定です。1kgの薪は、20MJの化学的エネルギーを持っているわけです。これが、薪ストーブの中で普通に燃えれば20MJの熱が発生するわけですが、不完全燃焼を起こしてしまたり、大量のススが発生すると発生熱量は少なくなります。不完全燃焼で発生する、気体の一酸化炭素やスス(固体の炭素)はまだ燃えるので、その分のエネルギーが失われてしますからです。
薪の燃焼で発生するものが二酸化炭素と水だけならば、完全燃焼していて、燃焼効率は100%です。空気量の調整が不適切な場合を除くと、薪ストーブを通常に使用している場合、燃焼効率は100%に近いと考えて良いでしょう。

熱効率とは

燃焼で発生した熱が、
どれだけ室内の暖房に使用されているか、
その効率を熱効率と言います。

“燃焼効率”と“熱効率”は良く似た言葉で混同されやすいのですが、意味が違います。
熱効率は、薪は燃えてストーブの中で熱になっているところから、その熱がうまく室内を暖めるのにどれだけ使われているかを表しています。

熱効率とは燃焼で発生した熱が、どれだけ室内の暖房に使用されているか、その効率

燃焼効率は100%に近いのに対し、熱効率は100%とはいきません。
それは薪ストーブには煙突が必要で、どうしても煙突から室外へ熱が逃げるからです。ストーブの火室で発生した熱のうち、煙突から逃げてしまう熱を差し引いたものが熱効率と考えて良いでしょう。熱効率は、性能の良いストーブでも75%程度ですので、発生した熱のうち1/4は煙突から逃げていることになります。おそらくですが、2次燃焼装置の無いダルマストーブ等は熱効率が悪く、確実に熱効率は50%以下で30%ぐらいかもしれません。薪ストーブでは、熱効率は非常に大事な指標で、熱効率の良い機種を選定し、その機種の能力を最大限発揮できる煙突プランと施工が大切です。

煙突は、燃焼で発生した二酸化炭素と水を排出していますので、同時に熱を放出してしまいます。
熱効率は、どうしても100%にできないわけです。
煙突から排出される熱量は、排出される気体の温度×気体の量で決まります。

熱効率を上げるには

熱効率を上げるためには、
煙突から排出される気体の温度を下げるか、
排出量を減らす必要があります。
熱効率の高い薪ストーブには、煙突からの排気量を少なくする工夫がしてあります。

気体の温度を下げると、煙突内の結露、ススの付着等トラブルの原因になり好ましくありません。
そこで、熱効率の高い薪ストーブには、煙突からの排気量を少なくする工夫がしてあります。どれも、煙突への排気に抵抗をかけて、ゆっくりと煙突に空気が流れて、煙突からの排気量を少なくする工夫です。また、薪ストーブの使い方、空気量の調整も熱効率に大きく関係します。

適切な薪の量と適切な燃焼空気で適切な燃焼、薪ストーブの持つ高い熱効率を実現するためには、私たちの使い方が重要なのです。

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