薪ストーブの焚き方

薪ストーブは、環境に良い素晴らしい暖房器具です。正しく焚けば、CO2を大きく削減することができます。
しかし、誤った焚き方をすることで、思わぬトラブルを引き起こします。
臭いのある煙をたくさん出す焚き方=不完全燃焼は、煙突にすすやタールが詰まって煙道火災を起こしたり、ご近所とのトラブルを起こしかねません。ここでは、薪ストーブの正しいマナーをしっかりと学んでいきましょう。

はじめに

薪ストーブを焚き始める前

薪ストーブを焚き始める前に、確認しておくべきことがいくつかあります。
24時間換気を行なっている住宅の場合、一旦近くの換気扇を止めます。これは、屋内の気圧が下がりすぎるのを防ぎ、スムーズに薪ストーブから煙突への上昇気流を起こし、煙をスムーズに排出するためです。場合によっては、少し窓を開け、外気を取り入れる必要もあります。
また、安全のために燃えやすいものはストーブから遠ざけ、煙突や本体の埃などはしっかりと拭き取っておきます。

薪ストーブの「慣らし焚き」

薪ストーブを設置して初めて使うとき、またシーズンの始めに使うときは、いきなり高温まで焚き上げず、徐々に温度を上げていく「慣らし焚き」をします。少量の薪と焚き付けに点火し、温度が下がるのを待つ。これを何度か繰り返し、急な熱膨張によるストーブの破損を防ぎます。薪の量や回数は、それぞれの機種の取扱説明書に記載がありますので、必ずご確認ください。

本焚き

本焚き

「慣らし焚き」が完了したら、いよいよ本格的に焚いてみます。正しく焚けば、薪ストーブの煙突からもくもくと煙が出ることはありません。ぜひ、下記の方法をおためしください。

  1. プライマリエアー(1次空気)の給気口の位置を確認します。(機種によって異なります)給気の量を調節する装置のある場合には、給気量を最大にしておきます。
  2. まず初めに手首ほどの太さの薪を2本、炉内に置き、その上に段々と細い薪を重ねていきます。図のように井桁状に置き、重ねるに従い細い薪を置くようにします。このとき、吸気口から空気がどのように通るか、イメージしながら重ねてください。
  3. 一番上に着火剤を置き、点火します。まっすぐに炎が立ち上がったらそっとドアを閉め、徐々に燃え広がるのを待ちます。

てっぺんから点火して火がまわるのか、と不安になる方がいるかもしれません。でもこの方法だと、天辺の炎がその下の薪を炙り、そこから揮発した可燃性のガスが炎に引き寄せられて燃えます。これにより、着火の段階で完全燃焼が行われるため、煙の発生が抑えられます。

薪の補給について

薪の補給のタイミング薪の正しい補給のタイミング

はじめに入れた薪が燃え尽きてしまったら、薪を補給する必要があります。それには、いくつか注意点があります。
まずは、補給のタイミングです。
そもそも薪の燃焼には、4つの段階があります。

  1. 点火して徐々に炎が大きくなる
  2. 温度が上昇、最盛期を迎える
  3. 少しずつ下火になり減衰期を経て熾火になる
  4. 白く灰になりながら終期となり、燃え尽きる

ここで、2の段階で薪を補給してしまうと、揮発するガスの発生量に対し、それを燃焼させる酸素が足りなくなり、不完全燃焼を引き起こします。ためしにこのような状態で薪を補給してから外の煙突をみると、もくもくと黒い煙が出ていることでしょう。
これは、不完全燃焼をしている上に、薪のエネルギーも熱に変換されず、排出してしまっている状態です。

正しい補給のタイミングは、3の段階。一度プライマリエアを全開にし、炎があがってくるまでしばらく待つと、スムーズに炎がまわります。次に、補給する薪のサイズ。良い燃焼をするためには、正しいサイズの薪を使いましょう。薪の長さは、各機種によって最適な長さの指定があります。また、太さについては、大人の平均的な男性の二の腕(周長30cm程度)を目安に。
少し細めだと感じるかもしれませんが、太すぎる薪は①乾きにくく、実は乾いていない ②1回の薪の補給量を超えてしまう ③空気の通り道をふさいでしまう というデメリットがあります。各薪ストーブには一度に入れてよい補給量が決められています。太すぎる薪は、その規定量を軽く超えてしまい、結果温度が上がり過ぎてしまう危険があります。
また、空気の通り道が塞がれることで、酸素量が不足し不完全燃焼を引き起こします。
適正な太さの薪ならば、このような心配がなく、最適な燃焼状態を保つことができます。

空気量の調整について

燃焼時の空気は、絞りすぎない
燃焼時の空気は、絞り過ぎないように気をつけましょう。空気を絞りすぎると、酸素量が不足し、不完全燃焼となります。
一昔前は、炉内いっぱいに薪を詰め込み、空気口を絞ることで、朝まで熾を残す焚き方をする人が多くいました。しかし、この方法は大量のススやタールが煙突内にたまり、煙道火災を起こす危険が非常に高い焚き方だということがわかっています。そして、ご近所のクレームとなっているのも、このような焚き方をしているお宅です。
このような焚き方はすぐにやめ、正しい焚き方を実践しましょう。

正しい焚き方チェックポイント

  • 適正温度で焚けているか?→太すぎる、多すぎる薪を補給していないか?
  • ガラスが曇っていないか?炉内がすすで真っ黒になっていないか?
    • 薪が乾いているか?
    • 空気を絞り過ぎて酸素不足になっていないか?
    • 薪を補給するタイミングは正しいか?
  • 臭いのある煙が出ていないか?→薪が乾いているか?
    • 空気を絞り過ぎて酸素不足になっていないか?
    • 薪を補給するタイミングは正しいか?年に一度の薪ストーブのメンテナンスは、正しく薪ストーブを焚けているかチェックする良い機会です。ご自身でできるメンテナンスもありますが、ぜひプロの目で一度チェックをしてもらうことをおすすめいたします。
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